主な演目と筋書

題名をクリックまたはタップしていただくとあらすじに移動していただけます。

禊三筒男神(みそぎみつつおのかみ)/三番叟

黄泉国より逃れきたイザナミノミコトが、筑紫の橘の小門(おど)の阿波岐原の中つ瀬に降り、禊祓いをされる。波間より上筒之男命、中筒之男命、底筒之男命の三柱の神が現れる。此の神々の舞が、神楽の舞台清めになる。

八雲神詠(やくもしんえい)大蛇退治

根の国へただ蓑笠だけで逐いやられたスサノオノミコトが、櫛名田比賣親子の悲嘆の物語を聞き、義憤を感じて八岐大蛇(やまたのおろち)を退治する。

高天ヶ原神集(たかまがはらかみつどい)

高木の神が、豊葦原の中津国を天孫ニニギノミコトに奉り大国主命のご隠居を願う使いの神を選定する。

菩比神使 (ほひのしんし)

高天ヶ原から天菩比神(アメノホヒノカミ)が大国主神の許に国土を献上させる神使として降りるが、建御名方神(タケミナカタノカミ)の策略にかかって酒に身を持ち崩し、報奏をおこたってしまう。

天之返矢(あめのかえしや)

天稚彦(アメノワカヒコ)の神が再び使いとして大国主のところへ降りてくる。この神も天深女の策略で大国主の息女下照姫と契り、高天ヶ原への復奏を怠り、稚彦を迎えに来た雉を天津神より拝領の天のかく矢で射殺す。その矢が高天ヶ原に飛び高木の神の御手に入る。高木の神は、稚彦に曲った心あれば帰れと、豊葦原の中津国に投げかえす。天稚彦はその矢に当たって落命する。

幽顕分界(ゆうけんぶんかい)

大国主神のところへ第三の使者として、建御雷(タケミカヅチ)、経津主(フツヌシ)の両神来り、中津国を天つ神に奉るべく申しのべる。建御名方神は、不承知の旨を答える。ついに闘争になり、建御名方神は力尽きて、豊葦原の中津国を天つ神の御子に奉ることになる。

天孫降臨(てんそんこうりん)

邇邇芸命(ニニギノミコト)が豊葦原の中津国へ降りられる途中、道に鼻の高い恐ろしい神がいる。天宇受賣命(アメノウズメノミコト)は、その神に近ずき、名を問えば、国つ神猿田毘古と名乗り、天孫の道案内を致すべくお待ち申していたと答える。邇邇芸命は、猿田毘古と宇受とを夫婦にさせ、猿田毘古の道案内で日向の国へ降りられる。

日代之宮(ひしろのみや)

景行帝は、御子の大碓命(オオウスノミコト)と小碓命(オウスノミコト)を呼び、筑紫の賊を討伐せよと申し渡す。大碓命は、恐れて遠征を辞退する。帝はその不甲斐なさを嘆き、鋤鍬を授けて涙ながらに美濃へ追放する。小碓命は筑紫へ出立する。

熊襲征伐(くまそせいばつ)

小碓命は、叔母の倭比賣命(ヤマトヒメノミコト)から賜った衣装を身にまとい女姿で熊襲健に近付き、これを刺し殺し、名を倭健命(ヤマトタケルノミコト)と改める。

斎宮別離(いつきべつり)

伊勢神宮に参拝し、叔母倭比賣に別れの挨拶をする倭建命に、倭比賣は、神剣天叢雲剣と御嚢を授けられる。

兄弟探湯(けいていたんとう)

建内宿禰の弟、甘美内宿禰(うましうちのすくね)が、兄に逆心ありと帝に訴えると、帝は真偽を試みようと、従者に探湯の用意を命ずる。湯が沸き、建内宿禰の潔白は証明されるが、弟の曲った心があらわれ、従者にさんざんな目にあわされる。

八幡山(やわたやま)

神功皇后は、建内宿禰と計り、新羅を討とうと、海上加護の神々に祈念する。上筒、中筒、底筒の三柱の神が出現して、皇后の航路守護の舞を舞うこともある。

三輪神杉(みわかみすぎ)

大物主の神が、夜毎に活玉依媛の許に通う。ある夜姫は侍女の謀いで、神の裳に糸を結びつけておく。神は気ずかずに帰るのを、媛はその糸を引いて神を再び自分のもとへ迎えると、美しい神の姿が恐ろしい蛇の姿に変っている。

熱田神剣(あつたしんけん)/宝剣盗人

尾張の国に草薙剣が止まっていることを噂に聞いた新羅の国の祈祷師同行という悪僧がこれを盗もうと苦心するが、番人に見破られる。

稲荷山(いなりやま)

稲荷大神の弓の舞、天狐の幣の舞、千箭(チノリ)が、弓を授かり、鬼退治に出立する。

悪鬼退治(あっきたいじ

稲荷大神より授かった弓矢を持って千箭が悪鬼を退治する。

神剣幽助 (しんけんゆうじょ)/小鍛冶

稲荷大神の助力により、三条宗近が小狐丸の名剣をつくる。

神田種蒔(しんでんたねまき)

狐が五穀の種を蒔くと、モドキがほじくる。狐がモドキを化かし、餅を搗くと、モドキがつまみ食いをする。狐がこらしめのため目隠しをして去る。モドキは、それを好いことにして、臼や杵を持ち逃げしようとする。狐の置き忘れた神具を取り戻そうと神職の翁(とりかえし)が現れモドキから無理に神具を取り戻す。

三崎遊漁(みさきゆうぎょ)

恵比寿が釣りに出かけたが、海が荒れて魚が連れない。そこで岡崎という祈祷師が海を鎮め、恵比寿もたくさん魚をつることができた。

敬神愛国(けいしんあいこく)

恵比寿の所へ大黒が訪れる。恵比寿は酒の肴に鯛を釣上げる。ここで宝授けの舞を舞う。二柱の従者は鈴かくしの祈祷舞をする。

紅葉狩(もみじがり)

明治末年頃より、黄泉醜女のカット版。平維茂が戸隠山の鬼女を退治するところ。